2024/04/07

ブロワファン(←しつこい)改良

一応完成したつもりのブロワファン強化だけど、このいつ砕け散るかわからない経年劣化したファン本体が気になって仕方ない。

ネットで徹底的に調べたところ、ダイハツの『88550-B2100』という品番のブロワファンがほぼ同じサイズだということがわかった。羽根の外径140mm、高さが70mm。ほぼドンピシャだ。採用車種も多いようで、中古品から新品までネットではゴロゴロ売られている。
もちろん、シロッコファン自体の寸法が同じっていうだけで、ポン付け交換できるわけじゃない。

ともかく中古品を買ってみた。
さすが国産品、ヘロヘロな純正品と違ってすべてがしっかりできている。
なにより素晴らしいのは羽根の幅が大きいこと。205のファンの三倍ぐらいある。シロッコファンの風量はこの羽根幅に比例するから、うまく流用できればさらなる風量アップが望める。

まずは本体からファンを抜いてみようとしたけど、先端の黄色いキャップがやたら固い!まあ、回ってる最中にファンが抜けたら困るから強固なのは当然だけど。
ゴリゴリやってチカラ技でファンを分離!
さあ、これをどうやって前回取付けた新モータとうまいことジョイントするかだ。今回もう一度一から設計し直すことにした。

3D CADを使って完成形を模索してみる。下の黒い部分は元々の205のファンベースを使用。こうすれば取付けに苦労しなくて済むと考えた。

今回3D CADを使った理由がこれ。シャフトのジョイント部分の設計。一番工夫が必要な部分なのに、実物を組合せてみてもファンとベースに隠れて直接見ることができないし、そうなると当然寸法も測りようがない。それが、3D CAD上で組立ててみてこれを断面表示することで、本来見えないシャフトの長さや各部のクリアランスを手に取るように確認できる。部品ひとつひとつの実寸を測って3Dデータを作るのは手間だけど、その準備さえできちゃえばその手間以上にこれは画期的だ。

設計に沿ってファンベースを加工する。205のボディ側とぴったり当たる部分を残して、不要な部分は思い切ってすっぱり切り落とす。もう後戻りはできない!

旧シロッコファンの軸径は6mmなのに対して新シロッコファンは8mmだから、シャフトも新調しなくちゃなんない。M8の段付きボルトの頭を切断して、新シャフトを製作。ホントは逆ネジのボルトにしたいところだけど、緩み止め対策をばっちりやって対応しよう。

設計通りに5mm径のモーターシャフトと8mm径の新シャフトを異径リジッドカップリングでジョイント。今回はモータもクーラントホースを使うのはやめて、ちゃんとアルミ円板で取付プレートを作って、ベースにがっちり固定した。

・・・そうして完成したプジョー205用新ブロワファンがこちら!
シャフトの長さだけ少し余裕をみたけど、それ以外は3Dモデル通り。回転モノはあちこちすぐに緩んでくるから、ネジロック剤やら爪付きワッシャやらを駆使して緩み止め対策も徹底した。
さあ、取付けて試運転だ。元々のブロワファンより明らかにしっかりしてるから、これは期待が持てるぞ!

と、その前に・・・旧ブロワファンで計っておいた吹出風速がこちら。
4.7m/sec。

そして、新ブロワファンの吹出風速がこれだ!
5.8m/sec!
二割以上のアップだ!計ってないけど205純正のヨワヨワファンに比べたらおそらく二倍ぐらいに強化されたんじゃなかろうか。それでいて音も断然静かで滑らかだ。

風量増は加熱・冷却能力増にもつながる。今年の夏は涼しい車内が期待できる・・・かなぁ。。。

2024/02/24

ブロワファン自動化

ブロワファンを強化したのはいいけど、やっぱりうるさい(笑)。
温度調節計に警報出力が1点あるので、これを使って設定温度と室内温度の差が大きい時だけ高速回転、設定温度±1℃以内になったら低速に切替えてやろうと考えた。

今付いてるOFF-1(弱)-2-3-4-5(強)と切替えていた風量調節用の6接点のロータリスイッチを、自動-OFF-1(弱)-2-3-4(強)に変更。『自動』にすると上記動作になる。

ついでに、『OFF』の時はコンプレッサが入らないようにインターロックも組込んだ。

回路的にはロータリスイッチ以外はリレーと抵抗器だけの構成だから、小さなユニバーサル基板上にまとめた。

出来上がった回路を配線して完成!

温度がオーバーシュートしても高速回転になっちゃうのが欠点。まあ、その時は手動で止めるか弱運転に切替えればいいんだけど。
警報接点が二つあるともう少し気の利いた制御ができるんだよなぁ。


2024/02/23

ブロワファン強化作戦

注:JISでは送風圧力0.01MPa未満を『ファン』、0.01以上0.1MPa未満を『ブロワ』と呼ぶのが正式ですが、本ブログでは一般的な通称に倣って『ブロワファン』とさせていただいております。「頭痛が痛い」みたいで気分的にはやらしいのですが。。。

またも空調ネタで申し訳ないけど、205に乗り始めた頃から気になってたことがある。
なにしろヒータのブロワファンが弱い直結で回してみたり、効率のいいPWM制御に換えたり、いろいろやってきたけどそもそもモータが弱すぎる。普通のクルマならファンを最強にすれば轟音とともに爆風が吹くのに、205ときたら直結運転でもそよ風程度だ。冬は暖まるまでやたら時間がかかるし、夏に至っては(エアコンの能力不足もあるけど)風が弱いからちっとも涼しくない。
何かいいアイデアはないものかとネットを調べてたら、どうやら世界中の205オーナーさんたちも一様に感じていることだとわかった。「イスラエルで乗ってるけどファンが弱すぎて涼しくない!」「真冬、フロントガラスの氷がなかなか溶けなくて遅刻しちゃう!」等々(←google翻訳です)。

ブロワファンを外して回転数を測ってみた。2,349rpm。
車体に装着状態だと圧損がかかってもっと落ちるんだろう。

こちらはファンを外したモータ単独の無負荷状態の回転数。4,002rpm。

要はこれより高い回転数で回るモータなら風量はアップするはずだ。ダメ元で根本的にモータを変えてみることを計画。

でも、もちろん205用の強化モータなんてものはない。amazonで探してみた。

選んだモータはDC12V150Wで無負荷回転数6,000rpmというシロモノ。3,199円。まあ、「選ぶ」とか言っても特性線図みたいな気の利いたものはないからほぼ博打だ。もしかすると負荷がかかったら一気に回転数が落ちちゃうダメモータかもしれない。

とはいえこれまでのモータが無負荷で4,000rpmだったから、6,000rpmなら1.5倍。もし偶然にも似たような特性なら、ファン付きの状態で3,500rpmぐらいになる。

ところで、この右にある赤い異径ホース(クーラント用シリコンホースだね)は何に使うかと言うと、これが今回最も工夫した部分。

外径70mmのモータが付いていたベースに外径50mmのモータを取付けるための隙間埋めなのだ。
異径ホースの太い方の外径が約70mm、細い方の内径が50mmだから、太い方をベースに差し込んで、細い方にモータを差し込めばぴったりハマるはず。多少は防音効果もあるだろうし、振動吸収にもなるだろう。

おおっ、予想以上にぴったりハマったぞ(嬉)!

ちなみにシャフトは、モータ本体から出ているだけじゃ長さが全然足りないから、φ6mm×35mmの全ネジ棒で延長してある。ネジが切ってあればファンの取付けもきっとなんとかなるだろう。

手前の白く見える箱はPWM制御のスピードコントローラ。これまで使ってたのは10A品だったけど、今度のモータの電流値はもっと高いだろうと考えて20A品にした。こちらもamazonで1,557円。

モータはベースに固定してあるわけじゃないから、奥まできっちり押し込んでやらないと安定しない、芯ぶれでも起こされたらただでさえ劣化が進んでる老プラスチック製のシロッコファンはおそらくバラバラになっちゃう。
でも奥まできっちり押し込むには、モータの底部から飛び出してる+-二つの電源端子が邪魔になる。
そこでこの邪魔な(無くちゃ困るけど)電源端子は、ベースの底部に元々あるモータ固定用のネジ穴を広げて、そこから顔を出すようにしてみた。モータ本体の回り止めにもなるはずだ。
これでモータ底部はベース内にぴったり鎮座。電源配線はこの穴から覗く端子にハンダ付け。

とはいえシリコンホースだって劣化してくるから、長い目で見たらいずれ何らかのしっかりした固定方法を考えないとダメだろうけどね。

いよいよシロッコファンを取付ける。ここはシャフト延長用の全ネジ棒が活躍。
最初に高さ調整用に平ワッシャ2枚を入れて、その上に回り止めの歯付ワッシャ、そしてファンを差し込んで、さらに上からも歯付ワッシャでサンドイッチ、最後にナット締め。ガッチリ取付いた。

平ワッシャの枚数で調整したおかげで、ベースとファンとのクリアランスは数mmに抑えられた。シロッコファンはここが狭いほど効率がよくなる。

完成したこのパワーアップファンを回してみた。
いやもういきなり音が違う!あまりの風量にまわりの砂埃が舞い上がってる!

さあ、回転数は?
おおっ、ほぼ予測通りの3,428回転!!

最後は車体に装着。新スピードコントローラと結線して最終試運転。
とにかく風量が全然違う!今までなんだか吹いてるんだかどうだか怪しかった足元の吹出口からもしっかり風が出てる。今日は外気が2℃台の寒い日だけど、車室内の温度が上がるのもこれまでより全然早いぞ。

風量調整はロータリスイッチで5段階切換にしてあるんだけど、2〜3段目ぐらいでもう以前の5段目(最強)ぐらいの風量が出てると思えた。ざっくり言って体感二倍だ。

あとはこれで夏がどれぐらい快適になるか。季節が進むのが楽しみだ。

今回のモータは無負荷6,000rpmだけどこの上位に同じ寸法で9,000rpmのモータもあるから、もしこれでも足りなきゃそっちに変えてみる手もあるけど、老シロッコファンがもたない気がしてならない。。。誰か試してみてください(笑)。

※追記警告!!
9,000rpmのモーターにするのは絶対やめましょう!
電線がチンチンに熱くなるわ、車内に煙が立ち込めるわ、ヒューズが飛ぶわ、大変なことになりますです(爆笑)!!

2024/01/21

オートエアコン化計画・ひとまず完成!

長いこと続けてきたオートエアコン化計画も最終段階。
第一弾では計画、第二弾で実装、そして第三弾では改良・調整と順調に進んできた。
今回は最終段階・コンプレッサのON/OFFの自動化だ。寒い日や乾燥している日はコンプレッサで冷却する必要はないから、そこを自動化してみようと思う。

エアコンの吸込空気の温湿度をセンサで検知して、これをArduinoで露点温度に換算。露点温度16℃以上でリレーON、15℃以下でリレーOFFという回路を組んだ。あえてこの露点温度制御にしたのが一応冷凍空調屋歴40年のプロとしてのアイデア(エヘン!)。人間の体感としてはおそらく快適になるはずだ。

以前、時計の位置に取付けた温度によるコンプレッサON/OFFサーモはこれでもういらなくなったので、久しぶりに時計も元通り復活させることにした。が、、、この時計、押入れから出してきて電源を繋いでみたらなぜかバックライトが点灯しない。

バラしてみたらコネクタ裏のハンダ割れと判明。
念のため全端子ハンダを盛りなおして修理完了。
ワイパーリレーもそうだったけど、この時代のフランスのハンダの品質ってあまり良くなかったのかなぁ。

温湿度センサの取付けは、グローブボックス下のエアコンの吸込部分に差し込まれているこのファン速度調整用のアンプの土台(黒い部分)を流用することにした。

ファンの速度調節はもうずいぶん昔にPWM制御に替えちゃっててこのアンプ自体はもう使ってないから、潔くトランジスタと放熱器をぶった切って、代わりに温湿度センサを取付けた。
すぐに汚れてダメになっちゃいそうだけど、まあとりあえず実験ってことで許しておくれ。

ついでに、設定方法にクセがあった左の米国産デジタル温度調節計もイマイチ使いにくいので変更。
DC12V電源の物がなかなかなくてわざわざこの米国製を使ってたんだけど、イマドキはDC12V→24Vの昇圧電源基板なんてのが数百円で買えるのね!

それならと、世の中にいくらでもあるDC24V電源のオーソドックスな温度調節計に換えることにした。今回採用したデジタル温度調節計は、仕事ではよく使ってた信頼のRKC理化工業の調節計・・・と言いたいところだけど、趣味に使うにはちょいと高すぎる(数万円)から、ここは我慢して瓜二つのMade in China品(なんと送料込み3,405円!)。

ちなみにこちらが本家本元のホンモノ。

こちら、ニセモノ。

・・・それにしても、ニセモノのくせに見た目はもちろん製品型番まで同じ(REX-C100)って、いくらなんでもあんまりな気がする。。。左下に『RKC』のマークだけは入ってないところがせめてもの良心だろうか。。。


すべて組込んだ最終型がこちら。
調節計本体は元々付けてた1DINの小物入れの右側を4cmほどぶった切ってそこに押し込んだ。横長だった米国製よりはスペース効率もよくて、結構すっきりと納まったと思う。
露点温度制御回路と12→24V昇圧電源基板は熱収縮チューブで保護して、小物入れの裏側のスペースに押し込んだ。

では、PIDオートチューニング機構をONにしてひとっ走り試運転調整してきまーす!



ちなみに、温度センサに安い熱電対を使うと小数点以下は表示されないようだ。白金測温抵抗体(Pt100Ω)に変えて設定し直したらちゃんと0.1℃の桁まで表示されました。

2023/12/31

さらに本当にどうでもいい改良

年末年始の休暇に入った。1週間の休みだ。でも、205は絶好調だ。いじるところがない。。。
暇つぶしに街を走れば自然と先週取付けたウィンカーブザーのカラータイマー音が耳に入ってくる。そういえばここの記事に「1GBのSDカードに9kBのデータ1個しか入ってないってのはものすごい贅沢だ」などと書いたっけなぁ。

ガチャガチャガチャ・・・
ロータリスイッチを付けて、、、
スピーカをもう少し音質のいいヤツに変えて、、、
ついでに電源基板をもっと小さいヤツに変えて、、、


6種類の音色をスイッチで選べるようにしてみた(笑)。
「シンプルなポン音」「マリオがコインをゲットする音」「ピコン音」「テレビニュースのタイトル音」「カラータイマー」「シュレーゲルアオガエルの鳴き声」をSDカードに収録。
トヨタにも日産にもない新機能・その日の気分によって好きなウィンカー音が選べるのだ(って、普通やらないやらない)。

これで1GBのSDカードが276kB埋まったぞ!

2023/12/24

本当にどうでもいい改造

相変わらず絶好調の205。オイル交換、タイヤのエア補充なんていう日常のメンテナンスの他には特に何にもすることがない。いや、それはいいことなんだけど、そうなるとなんか余計なことをやりたくなっちゃうのが悪い癖。で、たいていそれが原因で大トラブルに発展するのだ(笑)。そんなわけでまた余計なことをやっちゃったんだけど、今回は幸いなことに今のところ大トラブルには発展してないので安心してお読みください。

以前取り付けたウィンカー連動ブザー、その時も書いた通り超便利で気に入ってたんだけど、なんかだたの「ピ、ピ」音ではつまんなくなった。
amazonを探すとMP3データを再生する基板が数百円で売ってる。うん、これを活かせないだろうか!ポチっ!

amazonから届いたMP3プレーヤ基板に、前回取付けたウィンカーブザーの基板と部屋に転がっていた電源基板を合体させてこんな装置を作ってみた。

ウィンカーブザーからブザーを外して、代わりにトランジスタでスイッチングした出力を使ってMP3データを鳴らす。マイクロSDカードのMP3データを入れ替えればどんな音でも発音可能だ。

ウィンカーの点滅間隔は実測で0.5〜0.6秒ぐらい。これぐらいの短い音声データで何かいいものはないか・・・。

などと考えながら、基板類を熱収縮チューブで絶縁して、以前のブザーと同じようにメーターフードの上部に仕込む。








そして、完成したのがこちら!じゃーーーん!!(ボリュームONして聞いてね)


還暦近いオッサンならすぐわかるだろう。そう、ウルトラマンのカラータイマー音だ!
ウィンカー出すたびになんか気分いい。これまで純正で採用するメーカーがなかったのが不思議なくらいだ。

いろんな音を試してみたけど、結局これが一番フィットしてるので、当面このまま行きたいと思う。ただ、、、1GBのSDカードに9kBのデータ1個しか入ってないってのはものすごい贅沢だな(笑)。