2024/05/12

突然エアコンが効かなくなった。

 先週大改造を行って空調制御もバッチリ決まってたのに、今週になって突然エアコンが効かなくなった。いや、正確に言うと冷えてはいるんだけど吸入配管温度が19℃ぐらいまでしか下がらない。だから吹き出す風も生ぬるい。これまで10℃以下に下がってたのに、明らかにおかしい。
耳を澄ますとエンジンルームの下の方からカタカタ音がする。コンプレッサからの異常音だ。
・・・『弁割れ』の言葉が頭をよぎる。
コンプレッサを外して、とりあえず簡単に外せる背面側(クラッチ側じゃなくて配管側)をバラしてみた。このSD508タイプのコンプレッサはこれまでも何度か完全に分解してるからもう手慣れたもんだ。

5気筒のピストンを覗く。
ん?なんじゃ、この都こんぶみたいなのは!?

取り出してみると昆布じゃなくて金属片。弁割れ確定だね。
ピストンも荒れてるし。

カバー側を見てみる。
他の4気筒と明らかに違って、吸入弁が完全に割れてなくなってる。破片がすべて発見できなかったことには一抹の不安が残るけど、リキッドタンクあたりで留まってることに期待するしかない。

裏返すと、吐出弁も破断していた。幸いこっちは破断面がぴったり合ったから、細かい破片の流出はなさそうだ。

さらに、よく調べるとまたしてもオイルはほぼ空っぽだった。同じ過ちを二度も繰り返すとは!
前回は面倒なピストン側が壊れたけど、今回は弁側だったのがせめてもの救いだ。

前回はコンプレッサごと交換しちゃったから、新品のコンプレッサにプレチャージされていたR134a用のPAGオイルをそのまま使ったけど、今回はPOE(ポリオールエステル油)をチャージした。
レトロフィットでR12時代の鉱物油が残留してる場合は確かにPOEの方が具合がいいんだけど、今回の場合はさんざんPAGで回しちゃってて今さら鉱物油分なんて残ってないだろうからホントはそのままPAGでもいいんだけど、手持ちがPOEしかなかったのよ。
サンデンSD508そっくりのニセモノコンプレッサだけど、一応サンデンのサービスマニュアルに従って135cc注入。

さて問題は、はたして交換用の弁なんてものが入手できるのかどうか。。。しかも、そこそこ暑くなってきてるから船便で何週間もかかるってのも困る。。。
どうにもならなきゃコンプレッサを丸ごと交換するしかないんだけど、この円安の中、前回のように数千円では買えないからできれば避けたい。

期待しないでネットで検索してると、なんとなんとAmazonにあるよ!SD508用バルブセット!!千円ちょっと!!!お急ぎ便で明日の朝着くって!!!!

翌朝起きたらホントにもうポストに届いてた。
これよこれ、間違いない。

朝7時から作業開始!
届いた部品を組み付けていく。

車体に取付けて真空引き。
この間にゆっくり朝ご飯だな。

一時間ほど真空引きしたのち、ガスをチャージして試運転。
低圧はちゃんと下がってるし、コンプレッサからの異音も完全になくなったからおそらく成功だ。

状態確認には先週取付けたスイッチパネルの吸入配管温度計が大活躍。エバポレータ出口の温度だから、ここが下がってくれれば確実に冷える。
2,000rpmで2.8℃まで下がった。ともすればエバポレータが凍結しかねないぐらい充分過ぎる冷え具合だ。
今年の夏は快適に乗り越えられるかな。



2024/05/06

大型連休の大型整備

 時間さえあればずっとずっとやりたかったことがあった。でも、これをやり始めたらおそらく2〜3日は走らせることはできなくなるだろう。。。

まだ1ポンド130円ぐらいの円高の頃に買っておいた室内カーペットの交換だ。今のカーペットはもうすっかり劣化していて、見た目が白ボケてきただけじゃなく、ちょっと引っ掻いただけで裂けてくる。

これまでもやりたいとは思ってたものの、なかなか時間が取れなかった。・・・っていうか、まとまった休日はたいていトラブルの修理が優先でこんなのはあと回しになっていたっていうのが実情。

このところすっかり絶好調な状態で迎えた今年の大型連休。やるなら今しかないのだ!

前後のシートやらセンタコンソール、サイドブレーキカバーやらを取り外してからいよいよカーペットを剥がす。ひたすら剥がす。カーペットの下にはアンダーフェルトと呼ばれる下地材もあるから、これも剥がして、スチールの床が露出した状態にする。もうあと戻りはできないぞ。

カーペットはフロントのバルクヘッドまで被ってるから、ダッシュボード下半分もバラさなきゃ交換できない。ああめんどくさい。。。

すっかり除去できたらまずは細かい段差を埋める小さなフェルトを貼っていく。英国製のカーペットセット一式にこんな小さなパーツもちゃんと同梱されていることには感心した。
接着には3Mのスプレーのり99を使用。2本も買っちゃったけど1本で十分だった。

その上にアンダーフェルトと呼ばれる下地を貼っていく。これで床面の段差がさらにが均される。

最後にカーペットを敷き込んでいく。しょせんサードパーティの輸入品、どうせ現物合わせであちこち切った貼ったしなくちゃなんないだろうなぁ、、、と思ってたけど、これが案外正確な寸法で作られていてびっくり!

新品のカーペットは気持ちよくて、このまま寝そべって一時間ぐらい寝てしまった(笑)。

これからやろうと思っている人がいたらひとつだけ注意。
シートとシートベルトを固定しているボルト類の穴は、現物合わせでカーペットに自分で開けなくちゃなんない。ところが、カーペットを敷き込んじゃうとその穴は見えなくなっちゃうから、敷き込む時に穴の位置を確認して印を付けておいた方がいい。穴あけには10mmぐらいの皮革用ポンチがあると便利。

今回は完全にあとの祭りで、目打ちで表面を突っつきながら穴の位置を探す羽目になった。。。(ちなみにこの写真の穴の位置は間違ってるので注意!)

カーペットを交換するにあたって、センターコンソールもバラすことになったから、ここでせっかくだからこれまた以前からやりたかったもうひとつの大改造もこの機に決行!ぶっちゃけ、カーペット交換よりもこっちが本題と言ってもいい。

バキバキ割れては接着剤やらプラリペアで直してたスイッチパネルを、今回全くのオリジナルで作り直したのだ。実はもう三ヶ月以上前から設計は始めてて、少しずつ組立ててた物が先日完成した。これを取付けてやろうと思う。

空調パネルの下のセンターコンソールは、枠だけ残して内側をディスクサンダーですっぱり切り落とした。
ここに新しく作った操作パネルが付く。

こんなだったパネルが、、、

じゃーん!!
スイッチだらけになりましたー!きゃー、キレイキレイ(笑)!

ここ最近しつこくいじくり回してきた空調コントロールも最終版を搭載。ファンとA/Cを共にAUTOモードにすると次のような制御になる。
1.室温が設定温度より0.5℃以上低く、かつクーラント温度が40℃以上であればPID制御による強風暖房運転。
2.室温が設定温度±0.5℃以内、もしくは始動直後でクーラント温度が40℃以下の場合はPID制御による弱風暖房運転。
3.室温が設定温度より0.5℃以上高い場合は強風冷房運転。
4.室温が設定温度より0.3〜0.5℃高い場合は弱風冷房運転。
5.吸込空気の露点温度が16℃以上の場合はコンプレッサを強制ONし冷却除湿。これに伴い低下した温度はPID制御により再熱。
気温変動が激しかったここ一ヶ月ばかり暖房から冷房まで試して調整した結果、車内温度は設定温度±0.3℃ぐらいに追い込めた。満足満足。

パネルの方は、上段左から
・オートライト
・フロントフォグランプ
・リアフォグランプ
・Motronicチェッカー
・幌・オープン/クローズ
・ハザード

下段左から
・充電用USBソケット
・エアコン・冷媒吸入配管/吸込空気温度表示
・エアコン・オート/OFF/ON切換
・デジタル温度調節計
・ファン風量切換

回路図(って、これだけじゃ何が何だかわからなさそうだけど・・・)。











アルミフレームとアルミ板でがっちり作ってあるから、これから20年は劣化してバキバキになることもなく機能すると思うぞ!