2022/08/11

オートエアコン化計画・第二弾

 前回セミオートエアコン化・第二弾をやったせいで、やりかけだった『オートエアコン化計画』を進める気分に火がついてしまった。やっぱり単なるコンプレッサのON/OFF制御じゃ物足りない。

このオートエアコン化については、苦労してArduinoのプログラムまで作ったのはいいけど、ダンパ駆動部分で壁に当たったままかれこれ三年近くストップ状態だ。そこで今回、思い切って発想を変えてみることにした。

ヒータのダンパを制御するんだったら、わざわざアクセスしにくい裏側のダンパのワイヤを引いたり戻したりするんじゃなくて、温度調整ダイヤル自体をサーボモータで直接回しちまった方が手っ取り早いんじゃなかろうか?

さらに、Arduinoのプログラムを勉強している中で、サーボモータの回転角度を電圧で自在に制御できることを学んだことから、これまた電圧出力ができる市販の温度調節計で制御してやればより簡単確実に実現できるんじゃないかと考えた。

まずはサーボモータと温度調整ダイヤルのジョイント方法を考えた。
(実験は実車ではなく、予備の空調パネルを使ってます)

ダイヤルの最低温度から最高温度までの回転角は270度。これを最大回転角270度のサーボモータで回してやることになる。

ダイヤルを引き抜くと、奥の方にDカット軸が現れる。

こいつを、軸の太さと同じ内径のプラスチックパイプを使って操作パネル面まで延長してみた。
Dカット軸側は、パイプにプラリペアを流し込んでDカット形状を成型。パネル面側も同様にプラリペアを流し込んで、柔らかいうちにサーボモータのローレット部分を押し込むことでぴったり合うギザギザを成型した。
これでサーボモータの回転で直接Dカット軸を回すことができるぞ。






次は温度調節計。仕事柄デジタル温度調節計なら各社扱ってきてるから、こんなもんすぐに選定できると思ってたけど、いやいや、これがけっこう難航した。なにしろDC12V電源のモノがない。国産はDC24Vばっかりだ。

Carel社製IR33B7LR20。電源DC12〜24V、入力PT1000等、出力0〜10V、PIDオートチューニング付、中古価格55ドル。円安で辛いけどこれほどスペックがぴったりのモノは他にないからゲット。






こいつの0〜10Vの比例出力電圧をArduinoに送り、サーボモータを制御する。但し、Arduinoのアナログポートは0〜5Vの入力しか受けられないから、0〜10V出力を10kΩの抵抗2本で1/2に分圧して入力。

バラックで組み立てて実験してみる。
アメリカ産の調節計は当たり前だけど取扱説明書が英語。。。解読から始まって初期設定が終わるまでにものすごく苦労したけど(苦笑)、うん、サーモを冷やしたりあっためたりするとちゃんと思った通りの動きをしてくれてるぞ。成功成功。

ただ、サーボモータがパネル面からかなり出っぱる。。。でもこればっかりはしょうがない。薄いサーボモータってどっかで売ってないかなぁ。

サーボモータ剥き出しなのもカッコ悪いと思い、温度調節計以外の部材(サーボモータ、Arduino nano、その電源用のDC12V→5V変換基板)を、ちょうどよさそうなサイズの透明プラケースを加工して押し込んでみた。うまいことぴったり収まってくれた。

これを空調パネルに組んでみたところ。うん、なかなかいいんじゃない?


動作に問題ないことが確認できたのでいよいよ実車に装着。

プラケースは透明のままでも単体であればメカっぽくてなかなかカッコよかったんだけど、実車ではあまりに目立つので艶消しブラックに塗装。それでもこのボコッと出っ張った小箱はお世辞にもカッコいいものではないな・・・。剥き出しでサーボモータを付けた方がスッキリしててかえってよかったかも。。。

温度調節計の方はおなじみの時計の位置に付けたかったけど、ちょっと大きくて収まらないから、とりあえず小物入れになってる1DINのオーディオスペースに貼り付けた。時計の位置には前回取り付けたコンプレッサのON/OFFサーモをそのまま残してある。

サーボモータの動作に従って冷風が出たり温風が出たりすることを確認。よしよし。
あとは肝心のPID制御の調整が必要なんだけど、この205の弱々エコアンだと今の時期のこの猛暑じゃフルで冷房しても室温がぜんぜん下がってくれないから調整にならない。せっかく完成したのに、本来の機能が確認できるのは涼しくなるまでまでおあずけだよ(苦笑)。

次の計画としては、これから冬に向かうことを考えてこのコンプレッサのON/OFFも自動制御してやろうと考えている。

(温度センサはこの位置だと室温とかけ離れちゃうので、その後助手席のグローブボックス横に移設してます)