2009/11/29

<番外>レガシィ・タイトコーナーブレーキング現象

今回はレガシィ・ランカスターのトラブル。低速でハンドルを切ると縁の下からゴゴゴゴという音がして進まなくなるという、四輪駆動車特有の現象=タイトコーナーブレーキング現象だ。
もちろんレガシィはフルタイム4WD。本来ならこんな現象が起こらないようにプロペラシャフトにセンターデフに相当する機構が装備されている。我が家のようなオートマチック車の場合はトランスミッションの後端部分にレオーネ時代からのスバルのお家芸であるMP-T(マルチプレートトランスファー)が組み込まれていて、これが前後輪の回転差を吸収してくれることになっている。おそらく、今回のトラブルはこのMP-Tの作動不良だろう。

♪ボクの名前は分解くん、何でもかんでもバランバラン〜205がバラバラにされちゃうシーンがあまりに悲しいCMだけど、彼の気持ちはよくわかる(笑)。今回も何はともあれバラしてみることにした。
ほぼ100%縁の下にもぐっての作業になるから、前輪はスロープに乗せ、後輪はジャッキアップして馬をかけて車体全体をそっくり持ち上げてやる。

プロペラシャフトをリヤデフ手前で切り離し、トランスミッション後端部から引き抜く。
引き抜くとこんな感じ。このまま走ればたぶんFF車になる(試してはいない(^_^;)。
このあと、邪魔になる排気管の中間パイプを外しながら並行してATFを抜いておく。

ミッション後端部をジャッキアップしながらミッションマウントを外して、TDCセンサとたくさんあるフランジボルトを外したら、いよいよMP-Tご開帳〜!
これはミッション側。

こっちがMP-T本体側。
デューティソレノイドバルブをコンピュータ制御することで湿式多板クラッチを細かくつないだり切ったりして後輪への動力配分をコントロールしている(んじゃないかと思う(苦笑))。
ブレーキング現象が起こるっていうことは、決して湿式クラッチが滑ったりしてるってわけじゃないと思うから、今回はデューティソレノイドバルブを集中的にバラしてみた。

バラしたところで何ができるってわけじゃないんだけど、とにかくパーツクリーナできれいに洗浄してやる。

バルブを外したボディ側。おおっ、生意気にATのバルブボディのミニ版みたいな油圧経路があるじゃん!しかもよく見ればちっちゃなフィルタまで付いてる!こいつが真っ黒に汚れてくれてたりすると「おおっ、これが原因だったか!」となるんだけど、、、残念ながら漂白剤に晒したかのように真っ白できれいな状態。

かくして原因はまったく究明できないまま、とりあえず気休めにすべてをきれいに洗浄して元に戻すことにした(^_^;。

結果は上々!こればっかりは「写真を見れば一目瞭然!」みたいな説明ができないのが惜しいけど、低速コーナーリング時のゴロゴロ感はほとんど気にならないぐらいまでに低減。
結局原因はよくわからないままだけど、まあきっとMP-T内部で何か引っかかってたんだろう(^_^;。

あとは後片付け・・・。ATFと泥でグチャグチャの工具を全部掃除して片付けなくちゃなんないと思うと気が重い(苦笑)。