2020/08/30

赤プジョー 、お前もか!

 青プジョー のセルモータを修理した1ヶ月後、なんと真似するかのように同じ現象が赤プジョー にも発生!炎天下を長距離走ったあとエンジンを切って再度始動しようとするとセルモータがうんともすんとも言わない。始動リレーはカチっと動作してるから、これはもうセルモータ不良以外の何者でもない。
とはいえ30分ばかり放置して冷めると何事もなかったかのようにあっさり始動するから、とりあえず騙し騙しそのままに。でも、これじゃコンビニでの短時間駐車時なんかは怖くてエンジンを切れない(苦笑)。
そしてついに先週、始動リレーの「カチッ」も言わなくなってしまった。全く始動不能。

セルモータ始動リレーの場所は、以前交換したリレーボックスに納まっている3個のリレーのうち向かって左側。外してバラしてみた。

ありゃりゃ、可動接点が完全に溶け落ちてるよ。
とりあえず在庫のリレーに交換して復活。

とはいえこのままじゃまた再発するだろうから、セルモータも交換することに。

初めてじゃないからわかっちゃいるんだけど、205のセルモータ交換は206より遥かにめんどくさい。セルモータを固定してるボルトにアクセスするにはエアフローメータだのスロットルボディだのも外さないと容易じゃない。しかも、何とか外れたとしても今度はそのセルモータを外に取り出すスペースがなくて、結局燃料レール、インジェクタ、インテークマニホールドまでも外すことになる。エンジンより手前側に見えるモノはほぼ全部を取っ払う感じ。。。


外したセルモータ。重くて無骨。このタイプは、その重量を支えるためにモータ背部にステー(写真上部の金具)があることが難点。こいつがインテークマニホールドの真下の位置でエンジンブロックに固定されてるから、なおさら外しにくい。


交換するセルモータは、前回青プジョーに転用しようと思ってできなかったこいつ。結局あの時転用しなくて正解。こっちは軽量・スリムだから背部にステーがない。


よりによって真夏・真昼・快晴。気温35℃の炎天下の中、頭がクラっとなるたびに冷房の効いた部屋に逃げ込むことを繰り返しながらの作業。申し訳ないけどとてもじゃないけど作業途中の写真なんて撮る気も起きないよ。。。などと一人ボヤきながらも何とか3時間ほどで交換完了。
150kmほど走ったけど今のところ再発する様子もなく快調快調。

2020/07/29

コンプレッサ交換

待ちに待ったMade in Chinaコンプレッサがようやく届いた。コロナ禍で中国からの輸送便が大幅に削減されていて、現地倉庫は輸送待ちの貨物で溢れかえっているらしく、その影響でこいつも発注してから届くまでに実に二ヶ月かかった。

届いたChinaコンプレッサは205のコンプレッサとは大きく3ヶ所が違っている。

一つはヘッドカバーの配管取出し形状。こいつは真ん中に刻印されている通り『FN』と呼ばれる配管接続口が上方にあるタイプだけど、205は配管接続口が背面にある『M』タイプだ。このままじゃ配管は繋がらない。

二つ目はプーリのタイプ。China品は8PKと呼ばれる8山リブベルト用。205は4PKと呼ばれる4山リブベルト用。もしかしたらプーリとクラッチをそっくり交換しなくちゃなんないかもしれない。

三つ目は、クラッチ配線のコネクタ形状。China品は黒い1本線が出ているだけで、マイナス側はボディアースだ。205の方は2本取出しで、おなじみ2PのJunior Power Timerコネクタ。まあ、エアコンON時に12Vがかかりゃいいだけだからこれはどうにでもなりそうだ。

まず一つ目の違い=ヘッドカバー。
写真左がChina品のヘッドカバー。吐出管と吸入管が上部に付いている。
写真右が元々ついていたコンプレッサのMタイプヘッドカバー。吐出と吸入は裏側(背面)に出ている。
ただ、見ての通り取出し方向が違うだけで構造はどっちも同じだから、今回はこのMタイプを流用することにした。そのつもりでせっかくワイヤブラシでピカピカに磨いておいたんだし。

写真は組替え後。
FNタイプのヘッドカバー(写真手前)はもったいないけど不燃ゴミ行き。

二つ目のプーリ形状違いへの対応。
リブベルトの規格自体は、山数が違っても山そのものの形状は何PKであろうと同じだから、もしかしたら8PKのプーリに4PKのベルトでもそのまま掛かるんじゃなかろうか。当初はこのプーリもそっくり付け替える予定だったけど、クラッチのクリアランス調整だの考えたら面倒だから転用できるならそうしたい。
プーリ同士を並べて比べてみて、8PKの外側4山だけを使ってそのままいけると判断。元々の4PKのベルトの山も8PKプーリにぴったりはまることを確認。

実際に取付けてみた。ベルトは予想通り外側4山にうまく掛かってくれた。ただ、ベルトを張ろうとして下のテンショナーを上げていったところ、なんと8PKプーリの矢印の2ヶ所(プーリの外周とフランジボルトの頭)がわずかにテンショナーに干渉することが発覚。
でも、ここまで来ちゃうと後戻りするのは面倒だ。思い切ってディスクグラインダで当たる部分だけ削り取ってしまった。

三つ目、クラッチ配線。
写真は205側のコネクタ。テスターリードを差してある方が+12V、他方がアース。
ただこのコネクタ自体の劣化も激しいから、ここは思い切ってコネクタはぶった切って廃棄。+12V側の配線だけ新しいコンプレッサの配線にギボシで接続した。アース側はどこにも繋がずそのままコンプレッサ側のボディアースを利用。

交換自体は完了。あとは真空引きと冷媒チャージだ。
コンプレッサ故障後、しばらくの間冷凍サイクル内が梅雨時の大気に開放されてた状態だから、真空引きはいつもより長く1時間ばかり行った。
冷媒はR12でもR134aでもなく炭化水素(HC)冷媒。ここだけは「世の中の冷媒なんて全部炭化水素にすればいいのに」と考えてる冷凍空調技術者としての俺の譲れないポリシー。

ちなみに今回のChinaコンプレッサ、冷凍機油は既にチャージ済みだった。それはそれでありがたい話なんだけど、R134a用のコンプレッサだからチャージされているのはおそらくPAGオイル。ホントは、冷凍サイクルに残っている鉱油と混じっても影響の少ないPOEオイルを入れたかったんだよねぇ。ま、冷凍空調業界にいても「鉱油とPAGが混じって詰まった」っていう話は実際のところ聞いたことないから、今回は実験台としてこのまま使ってみることにした。
ついでに今後おそらく発生するであろうガス漏れの検知用に蛍光剤も5ccばかり添加しておいた。

そんなわけでせっかくエアコンは完治したんだけど、、、今日は7月下旬だっていうのに最高気温23℃。。。肌寒くて全然試運転にならないよ。

2020/07/28

またもエンジン不調発生!

ヘッドライトが割れた頃からどうもエンジンの調子が良くない。
アイドル状態からアクセルを踏むとブスブス言って回転が上がらずエンストしそうになる。そこで思い切ってアクセルを全開にすると突然復活してあとは普通に走行できる。
これじゃ信号待ちのたびにヒヤヒヤしなくちゃなんない。

ボンネットを開けてチェック開始。

TDCセンサ信号、異常なし。
点火信号、異常なし。
ディストリビュータ、異常なし
プラグ、異常なし。
インジェクタ信号、異常なし。
インジェクタ、異常なし。

う〜む、、、またあの原因不明の不調の再来だろうか・・・。嫌だなぁ。

エンジンルーム内の配線を片っ端から揺すってみる。
あれれ?
エアフローメータの4本の配線のうち2本がやけに動く。

コネクタのカバーを外してみると、黄色と白の配線がぷっつり断線。フラップ出力とECUからのDC5V電源ラインだ。これじゃエアフローメータは機能しない。ECUのフェールセーフ機能でギリギリ無理やりエンジンを動かしていたことになる。

配線自体もかなり劣化してて、曲げると被覆が折れちゃうような状態だから、コネクタハウジングだけを流用してハーネスをそっくり全部新しく作り直した。

何事もなかったかのように不調は解消して修理完了。
(・・・もしかしてあの原因不明の不調もこれが原因だったとか???)

2020/07/21

段差でガチャン!

仕事がひと段落したので有給休暇を取ってクルマ屋の大将の店に寄ってみた。
店頭で作業中の大将に「来たよ〜!」と声をかけながら、県道から左にハンドルを切って歩道の切下げのわずかな段差を乗り越えて店先に乗入れた途端、すぐ前方でガチャーン!と大きな音!えっ!?もしかして上から何か落ちてきた?
見れば大将が大笑いしている。
「来ると必ず何か起こしてくれるねぇ」

右ヘッドライトのガラスが落ちて割れた音だった。。。
暑さで接着剤が溶けてガラスが剥がれてしまったようだ。

大将「予備のヘッドライトあるの?」
俺「大丈夫、中古が2個と新品が1個ある」
大将「どんだけ持ってんだよ(笑)」

せっかく来たけど暗くならないうちにとっとと撤収。

帰宅後、予備のライトに交換。
光軸はとりあえず左ライトと同じ高さに調整して修理完了!

持つべきものは予備部品だ。

2020/07/07

<番外>熱に弱いセルモータ

青プジョー でホームセンターに買い物に行き、帰ろうとしたらセルモータが回らない。。。「バッテリかなぁ」と思いつつもキーを捻るとマグネットスイッチは実に元気にカチン!と音を立てて作動する。
とりあえず青プジョー は駐車場に放置して、徒歩で帰宅。赤プジョーにセルスタータ(携帯バッテリ)を積んで再びホームセンターの駐車場に戻ってきた。青プジョー の運転席に座り、ボンネットを開ける。試しにキーを捻ったら・・・ブルルン!あれ?普通にかかっちゃったよ。

ホームセンターの駐車場には赤プジョー と青プジョー の2台、運転手は俺一人。。。自転車みたいに片方のハンドルを掴んで2台まとめて移動できればいいんだけど(苦笑)そうもいかないのでエンジンのかかった青プジョー で帰宅。その後また徒歩でホームセンターに戻って赤プジョーも回収した。

その後青プジョー は何度試しても普通にエンジン始動した。

1週間後、50kmほど走って自宅近所のガソリンスタンドに寄って給油したあと、エンジンをかけようとするとなんとここで再発!スタンドの店員さんに邪魔にならない位置まで押してもらって「さあどうしたものか」と30分ばかり考えていたらあっさり始動。こりゃほぼ間違いなく熱の影響だ。

ネットで調べたら出てくる出てくる。熱で回らなくなるのは206のセルモータの持病らしい。

外してみた。
青プジョー (206)のセルモータはエンジンの向こう側にあって、手が届きにくいから大変かと思ったけど、エアインテークホースを外すだけであっさりアクセスできた。エンジンの手前側にあるもののスロットルやらインマニまで外さなくちゃなんない赤プジョー(205)に比べたら断然ラクだ。
もちろんバッテリのマイナス側を外しておくのは必須。

バラしてみた。
正直どこが悪いんだかわからない。。。
だいたいこういうモータってやつはブラシがダメになるんだけど、実際ピカピカに磨いて試してみてもやっぱり再発した。

「そういえば押入れに205の予備のセルモータがあったよなぁ」と持ち出してきて比べてみた。
206に付いてたのがValeo製・D6G3、205用が同じくValeo製・D6RA66。

ぱっと見はほとんど変わんないんだけど、惜しい!マグネットスイッチの位置が真逆だ(上の矢印)!
さらに、付けようと思えば付いちゃいそうな気もしたけど取付ボルトのサイズも違った(下の矢印)。断念。

今週末車検に出す予定だから、諦めて素直に互換品を取り寄せた。
何度も付けたり外したりしたからもう目をつぶってもできる(笑)。平日、仕事から帰宅後に取付開始し、30分ばかりで完了。
チンチンに熱くなるほどは走り回ってないけど、今のところ順調に始動できてる。

2020/05/31

久々の発煙(これくらいじゃもう驚かない)

コロナ禍のさなかに忍びないけど仕事の都合もあって300kmほど走ってきた。あと数kmで帰宅、というところでフロントからモクモクと白煙。ボンネットよりも前方だ。ラジエータが吹いた?いや、水温は正常だ。ん?気のせいか車内が暑いぞ。エアコンが効いてない。またホースが破裂したかな?
周囲のクルマや歩行者からの視線は痛いけど、そんなのもう慣れっこだ(苦笑)。走行は普通にできるからとりあえず帰宅して、縁の下に潜り込む。エアコンを切ったせいかもう発煙はしてない。

どうもコンプレッサのクラッチ周りが焦げ臭い。コネクタを抜いてベルトを外す。ベルトには擦り切れた痕跡はなく、冷媒も抜けてないようだ。

以前もオーバーホールしてるコンプレッサ。当時の世界標準・サンデンSD-508、斜板式5気筒レシプロ圧縮機。
ともかく取り外して原因を調べてみよう。
冷媒を抜いて(炭化水素冷媒に替えてあるから大気放出OK)背後の冷媒配管を外し、ボルト4本を抜いて、、、

久々の取外し完了。

クラッチのアーマチュアを手で回してみると、、、半回転ぐらい回ったところでガツンと止まってしまった。いやーな予感。中で何か起きてるぞ。

シャフトを固定しているナイロンロックナットを外して、専用の3本ネジプーラーでアーマチュアを抜く。

そのあと、普通の2本爪プーリー抜きでベルトがかかる部分=ローターを抜く。

クラッチ部分ご開帳。あーあ、炭化してるよ。
おそらく、ロックしたコンプレッサを無理やり駆動しようとしてクラッチがスリップを起こし、チンチンに熱くなってソレノイドが発煙、っていう流れだったんだろう。

ソレノイドコイルを外して、ボルト8本を抜いていよいよコンプレッサ内部に侵入。

ガーーーン!
中身を引き抜くと、ピストンが1本だけ外れてきたぞ
原因はこれだ。受け部が完全に破損してコンロッドが分離しちゃってる。

ピストンを引き抜いたあとのシリンダを眺めててふと気付いた。そういえば冷凍機油、ないじゃん!?
ここまでバラせば普通なら「冷凍機油とりあえず何で受けとこうか」と思うところなのに、今回そういえば1滴も垂れてきてさえいない。
オイル切れでコンプレッサを破壊するなんて第一種冷凍空調技士としては大失態だよ、こりゃ(苦笑)。

こうなると基本的にはもうコンプレッサ交換しか手がない。幸いSD-508はまだまだ需要が多いのかアメリカや中国ではリビルド品やサードパーティ品がたくさん出回っている。
でも、205のコンプレッサと全く同じタイプとなるとこれがほとんど見当たらない。『SD-508』というのはあくまでもシリーズ名で、取付け方法やクラッチプーリーの形状、配管取出し方法によって様々なバリエーションがあるんだけど、205のように『イヤー型取付方式』『4PKベルト用クラッチ』『Mタイプ配管取出し』という組合せはまず見かけない。

そこで今回は、なんでもいいからイヤー型取付方式の本体を仕入れてきて、矢印の4PKベルト用クラッチとMタイプ配管取出カバーを付け替えてやろうと考えた。真ん中は新品を使って、両側は現状品を流用しようというニコイチ作戦だ。

なんでもよけりゃMade in Chinaならサードパーティ品が6〜7千円ぐらいで売られている。ポチっと手配。20日ぐらい待てば届くことだろう。


流用する配管取出カバーは頑張ってワイヤーブラシできれいに磨いてみた。案外きれいになるもんだね。

4PKベルト用ローターは、今回のトラブルで内部のベアリングが破損してることが判明。
ドライブシャフトナットを外す時に使う35mmのソケットが寸法的にピッタリなので、これを当て金にしてハンマーで打出して、新しいベアリングに交換。ベアリングは光洋精工(現・Koyo)製・83A551B。

準備は整った。さあ早く届け、Chinaコンプレッサ!