2020/05/31

久々の発煙(これくらいじゃもう驚かない)

コロナ禍のさなかに忍びないけど仕事の都合もあって300kmほど走ってきた。あと数kmで帰宅、というところでフロントからモクモクと白煙。ボンネットよりも前方だ。ラジエータが吹いた?いや、水温は正常だ。ん?気のせいか車内が暑いぞ。エアコンが効いてない。またホースが破裂したかな?
周囲のクルマや歩行者からの視線は痛いけど、そんなのもう慣れっこだ(苦笑)。走行は普通にできるからとりあえず帰宅して、縁の下に潜り込む。エアコンを切ったせいかもう発煙はしてない。

どうもコンプレッサのクラッチ周りが焦げ臭い。コネクタを抜いてベルトを外す。ベルトには擦り切れた痕跡はなく、冷媒も抜けてないようだ。

以前もオーバーホールしてるコンプレッサ。当時の世界標準・サンデンSD-508、斜板式5気筒レシプロ圧縮機。
ともかく取り外して原因を調べてみよう。
冷媒を抜いて(炭化水素冷媒に替えてあるから大気放出OK)背後の冷媒配管を外し、ボルト4本を抜いて、、、

久々の取外し完了。

クラッチのアーマチュアを手で回してみると、、、半回転ぐらい回ったところでガツンと止まってしまった。いやーな予感。中で何か起きてるぞ。

シャフトを固定しているナイロンロックナットを外して、専用の3本ネジプーラーでアーマチュアを抜く。

そのあと、普通の2本爪プーリー抜きでベルトがかかる部分=ローターを抜く。

クラッチ部分ご開帳。あーあ、炭化してるよ。
おそらく、ロックしたコンプレッサを無理やり駆動しようとしてクラッチがスリップを起こし、チンチンに熱くなってソレノイドが発煙、っていう流れだったんだろう。

ソレノイドコイルを外して、ボルト8本を抜いていよいよコンプレッサ内部に侵入。

ガーーーン!
中身を引き抜くと、ピストンが1本だけ外れてきたぞ
原因はこれだ。受け部が完全に破損してコンロッドが分離しちゃってる。

ピストンを引き抜いたあとのシリンダを眺めててふと気付いた。そういえば冷凍機油、ないじゃん!?
ここまでバラせば普通なら「冷凍機油とりあえず何で受けとこうか」と思うところなのに、今回そういえば1滴も垂れてきてさえいない。
オイル切れでコンプレッサを破壊するなんて第一種冷凍空調技士としては大失態だよ、こりゃ(苦笑)。

こうなると基本的にはもうコンプレッサ交換しか手がない。幸いSD-508はまだまだ需要が多いのかアメリカや中国ではリビルド品やサードパーティ品がたくさん出回っている。
でも、205のコンプレッサと全く同じタイプとなるとこれがほとんど見当たらない。『SD-508』というのはあくまでもシリーズ名で、取付け方法やクラッチプーリーの形状、配管取出し方法によって様々なバリエーションがあるんだけど、205のように『イヤー型取付方式』『4PKベルト用クラッチ』『Mタイプ配管取出し』という組合せはまず見かけない。

そこで今回は、なんでもいいからイヤー型取付方式の本体を仕入れてきて、矢印の4PKベルト用クラッチとMタイプ配管取出カバーを付け替えてやろうと考えた。真ん中は新品を使って、両側は現状品を流用しようというニコイチ作戦だ。

なんでもよけりゃMade in Chinaならサードパーティ品が6〜7千円ぐらいで売られている。ポチっと手配。20日ぐらい待てば届くことだろう。


流用する配管取出カバーは頑張ってワイヤーブラシできれいに磨いてみた。案外きれいになるもんだね。

4PKベルト用ローターは、今回のトラブルで内部のベアリングが破損してることが判明。
ドライブシャフトナットを外す時に使う35mmのソケットが寸法的にピッタリなので、これを当て金にしてハンマーで打出して、新しいベアリングに交換。ベアリングは光洋精工(現・Koyo)製・83A551B。

準備は整った。さあ早く届け、Chinaコンプレッサ!

0 件のコメント: