2020/07/29

コンプレッサ交換

待ちに待ったMade in Chinaコンプレッサがようやく届いた。コロナ禍で中国からの輸送便が大幅に削減されていて、現地倉庫は輸送待ちの貨物で溢れかえっているらしく、その影響でこいつも発注してから届くまでに実に二ヶ月かかった。

届いたChinaコンプレッサは205のコンプレッサとは大きく3ヶ所が違っている。

一つはヘッドカバーの配管取出し形状。こいつは真ん中に刻印されている通り『FN』と呼ばれる配管接続口が上方にあるタイプだけど、205は配管接続口が背面にある『M』タイプだ。このままじゃ配管は繋がらない。

二つ目はプーリのタイプ。China品は8PKと呼ばれる8山リブベルト用。205は4PKと呼ばれる4山リブベルト用。もしかしたらプーリとクラッチをそっくり交換しなくちゃなんないかもしれない。

三つ目は、クラッチ配線のコネクタ形状。China品は黒い1本線が出ているだけで、マイナス側はボディアースだ。205の方は2本取出しで、おなじみ2PのJunior Power Timerコネクタ。まあ、エアコンON時に12Vがかかりゃいいだけだからこれはどうにでもなりそうだ。

まず一つ目の違い=ヘッドカバー。
写真左がChina品のヘッドカバー。吐出管と吸入管が上部に付いている。
写真右が元々ついていたコンプレッサのMタイプヘッドカバー。吐出と吸入は裏側(背面)に出ている。
ただ、見ての通り取出し方向が違うだけで構造はどっちも同じだから、今回はこのMタイプを流用することにした。そのつもりでせっかくワイヤブラシでピカピカに磨いておいたんだし。

写真は組替え後。
FNタイプのヘッドカバー(写真手前)はもったいないけど不燃ゴミ行き。

二つ目のプーリ形状違いへの対応。
リブベルトの規格自体は、山数が違っても山そのものの形状は何PKであろうと同じだから、もしかしたら8PKのプーリに4PKのベルトでもそのまま掛かるんじゃなかろうか。当初はこのプーリもそっくり付け替える予定だったけど、クラッチのクリアランス調整だの考えたら面倒だから転用できるならそうしたい。
プーリ同士を並べて比べてみて、8PKの外側4山だけを使ってそのままいけると判断。元々の4PKのベルトの山も8PKプーリにぴったりはまることを確認。

実際に取付けてみた。ベルトは予想通り外側4山にうまく掛かってくれた。ただ、ベルトを張ろうとして下のテンショナーを上げていったところ、なんと8PKプーリの矢印の2ヶ所(プーリの外周とフランジボルトの頭)がわずかにテンショナーに干渉することが発覚。
でも、ここまで来ちゃうと後戻りするのは面倒だ。思い切ってディスクグラインダで当たる部分だけ削り取ってしまった。

三つ目、クラッチ配線。
写真は205側のコネクタ。テスターリードを差してある方が+12V、他方がアース。
ただこのコネクタ自体の劣化も激しいから、ここは思い切ってコネクタはぶった切って廃棄。+12V側の配線だけ新しいコンプレッサの配線にギボシで接続した。アース側はどこにも繋がずそのままコンプレッサ側のボディアースを利用。

交換自体は完了。あとは真空引きと冷媒チャージだ。
コンプレッサ故障後、しばらくの間冷凍サイクル内が梅雨時の大気に開放されてた状態だから、真空引きはいつもより長く1時間ばかり行った。
冷媒はR12でもR134aでもなく炭化水素(HC)冷媒。ここだけは「世の中の冷媒なんて全部炭化水素にすればいいのに」と考えてる冷凍空調技術者としての俺の譲れないポリシー。

ちなみに今回のChinaコンプレッサ、冷凍機油は既にチャージ済みだった。それはそれでありがたい話なんだけど、R134a用のコンプレッサだからチャージされているのはおそらくPAGオイル。ホントは、冷凍サイクルに残っている鉱油と混じっても影響の少ないPOEオイルを入れたかったんだよねぇ。ま、冷凍空調業界にいても「鉱油とPAGが混じって詰まった」っていう話は実際のところ聞いたことないから、今回は実験台としてこのまま使ってみることにした。
ついでに今後おそらく発生するであろうガス漏れの検知用に蛍光剤も5ccばかり添加しておいた。

そんなわけでせっかくエアコンは完治したんだけど、、、今日は7月下旬だっていうのに最高気温23℃。。。肌寒くて全然試運転にならないよ。

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