今年の夏は気温の変化が激しくて、オートエアコンの青プジョーが羨ましくなった。
205のエアコンも何とかしたい。。。冷凍空調技術者魂が疼いてきた。
その昔、
『セミオートエアコン化』とかなんとか言いながら、温度でコンプレッサをON/OFFする機能を付けたこともあったけど、あれは冷房にしか効かないし、即効性に欠けてて結局短命のうちに外してしまった。本来のオートエアコンはコンプレッサは常時運転で、ヒータ側で再熱制御しているのだ。こいつをうまいこと実現してみたい。
205の空調コントロールはこの3つのダイヤルで行う。左から、吹出口選択、内外気切替兼風量調整、吹出温度調整。
今回、ヒータを制御するには一番右の温度調整ダイヤルの操作を自動化すればいいことになる。
当初は、ヒータに流れるクーラントの水量をエンジンルーム側から三方弁でコントロールしてやろうかとも考えたんだけど、温度や電圧、外形寸法なんかからなかなかうまい三方弁が見つからなかったのと、万一漏れたりしたらオーバーヒートの原因にもなるから今回は見送った。
この温度調節ダイヤルを回すと何がどうなるのか調べるために、物置にある予備の中古ヒータユニット(普通はそんなモノ持ってない(苦笑))を引っ張り出してきた。実物を調べようとしたらダッシュボードを全部バラさなくちゃなんないからね。
写真はエンジン側から見たもの。内部のヒータコアが見て取れる。
車載状態ではこの手前にエアコンのエバポレータが配置される。エバポで冷却された空気がここから送り込まれるのだ。
温度調整ダイヤルを回すと、ワイヤーで連動してこのレバー状の物が回転することがわかった。この動作に合わせて内部のダンパが回る。
ダイヤルを一番暖かい方向に回すとダンパが回転してヒータコアがむき出しになって、ここを通過する空気が加熱される。
逆に、ダイヤルを一番低温側に回すと、ヒータに蓋がされて空気はヒータをバイパスしてそのまま吹出す。
つまり、このダンパによって『直接吹出す空気』と『ヒータを通過する空気』の風量比を変えることで吹出空気温度を変化させているわけだ。ってことは、単純にこのダンパの動きを自動制御してやれば室温は一定に保たれるはずだ。
コンプレッサは、基本的に夏はON、冬はOFFにすればいいだけだから、青プジョー同様あえて自動にはせずにこれまで通りACスイッチで手動制御のままにしとこう。
さて、このダンパをどうやって外から制御してやろうか。サーボモータ?ステッピングモータ?あいにくどっちも触ったことがない。自分の知識不足が悔しい。
必死で調べた。
どうやら、Arduinoという一種のワンチップマイコンでサーボモータを動かしてやるのが手っ取り早いようだ。
マイコン・・・学生時代、あと5歳若かったらきっと手を出してたと思う。小学生の頃から電子回路は独学で勉強してきたけど、マイコンだのプログラミングってやつにはついていけず一切手を出さずにここまで生きてきた。
でも、今では小学生でもプログラミングの勉強をしているらしい。このままじゃいけない。
一念発起、その『Arduino』とかいうイタリア原産らしいマイコンボードを購入。高いかと思ったら4千円でお釣りがきた。時代は変わったもんだ。
寝る間も惜しんでいじくりながら勉強。なかなか面白いぞ、これ。
試行錯誤しながらも二週間ほどで、温度によってサーボモータをPID制御するプログラムが完成。実際に机上で動かしてみた。
ネットの記事なんかを読むと普通のプログラマの皆さんはこの『PID制御』でつまづくようだけど、私の場合は『PID制御』は本業で死ぬほど関わってるから、そこだけは助かった。
定数を変えるとなるほど思った通りの動きをする。これは楽しい。ここでいろいろ実験ができるのはそのまま本業にも活かせるぞ。
まず第一段階はここまで。次はサーボモータとダンパをどう連結するか、ハード面の攻略に臨みたいと思う。
あ、これ、三年計画ぐらいになる予定なのでゆっくりお待ちください。。。