2019/02/24

突然の不調<結局よくわからないけど完治しちゃった編>

厚さたった2mmのワッシャをかますと調子がよくなるTDCセンサ。どうにも納得がいかない。しかも、街乗りならなんとかなるけど高速道路で70〜90km/hぐらい出すとやっぱり時折息継ぎが再発する。それでも無理やり100km/hまで上げようとアクセルを踏み込むと、もう激しく息継ぎして全く加速不能。これじゃあ直ったとは言えないし、周囲のクルマにも迷惑だ。

考える。
TDCセンサの構造はエレキギターのピックアップと同じ。ギターで言う弦にあたるタイミングロータが回転することで磁界が乱されて交流電圧を発生する。フレミング右手の法則だ。
そんな関係のTDCセンサとタイミングロータを2mm離すことで起こること、それはセンサからの出力電圧が下がる以外の何物でもない。逆に言えば、離さない状態ではセンサからECUに不調を起こすほど過大な電圧がかかってる、っていうことになる。これなら高速で症状が悪化するのも説明がつく。電磁誘導の原理で、高速回転下ではセンサの出力も上昇するからだ。

となると、この出力電圧を一定に抑え込めれば改善するんじゃなかろうか?部屋のガラクタ箱を漁ってみる。

定格電圧2Vのツェナーダイオードが何本もあった。ツェナーダイオードは和名では定電圧ダイオードと呼ばれるように、定格電圧を超えると逆方向に電流が流れ出す性質を持っている。
こいつ2本を逆方向に並列に繋ぐ。

それをECUのコネクタ47、48ピンに繋がっているTDCセンサの配線の間に並列に入れてやった。つまりダイオードクリッパ回路を付け加えたのだ。これでTDCセンサからの電圧はp-p2V以上になることはない。
これまたギターのエフェクタである『ディストーション』ではおなじみの回路だ。エレキギターの知識がいろいろ生きてくるから面白い。

エンジンをかけてみる。一発始動。町内をひと回りしてみる。時々起こっていた2,000回転あたりでの息継ぎは全く起きない。いいぞ。


オシロスコープで波形を見てみた。
よし、ダイオードクリッパ回路が完全に効いてて、波形はきっちり揃ってるぞ。

思い切って高速道路に乗り出してみた。うん、全く息継ぎもなく100km/hまでスムースに加速!

その後、高速と街乗り合わせて200kmほど走ってみたけど、快調快調!






しかし、何でこんなことが起こったのだろうか。。。
原因として考えられることと言えば、あの異物侵入によるミッション破損だ。タイミングロータはトルクコンバータのすぐ隣にあるから、侵入した異物と破損したミッションの破片がタイミングロータにも何らかの悪影響を与えたのかもしれない。ミッション交換の時にもっとよくタイミングロータを観察しておくべきだった。
2mmほどのわずかな偏心が起こって、その上ロータの歯が部分的に磨耗していると考えるのが妥当じゃなかろうか。
これを完治するにはまたミッションを降ろさなくちゃなんない。当面はこのまま走ってみようと思う。信号波形自体は本来より遥かに安定してるんだし。

不調発生から1年9ヶ月、とりあえずこれで完治ってことにしたいと思う。

4 件のコメント:

mt5speed さんのコメント...

久しぶりに読ませていただきました。お疲れ様です、そして、完治おめでとうございます。
当方は1990年製のALFA75TSって車に乗っていますが、205と同じモトロニック?を積んでいるので、参考にさせていただいています。どうもありがとうございます。それでは。

Unknown さんのコメント...

完治誠におめでとうございます。私だったらまず諦めるでしょう、電気系の故障はまず私には手が出ません。
(特にムカデのブラックBOX系)読ませて頂き大変参考に成ります、末永く乗ってください。私もしばらくは乗り続けたいと思います。時々わからない故障が出たらご相談させて頂く事があるかもしれませんのでその時はよろしくお願いしたいと思います。ーーーENJOY 205CTI

Unknown さんのコメント...

おめでとうございます❗
この喜びは、おーしまさんにしか味わえない至高の感覚ですよね。
私も同じ喜びを味わえる様に頑張ります‼
今後とも宜しくお願いします。

匿名 さんのコメント...

おめでとうございます!長い間ご苦労様でした。
原因がわかり対策がばっちりきまった時の気持ちよさはひとしおと思います。
波形がものの見事に調律されていてあらゆるものが「はまった!」感じ?
感動で身震いしました。
405に乗っていて同じ経験ができるかもって思いましたが、冷静に考えると
期待してはいけないですよねっ。
颯爽と駆ける205とおーしまさんにかんぱい、です。