2019/02/16

突然の不調<AT交換編>

なにやらとんでもない異変が起こっているミッションを交換。

ZF社のオートマチックトランスミッション・4HP14の交換。もう何回目だろうか。初めの頃はそこらじゅうにATFとクーラントをぶち撒けながら全身ドロドロになりながらやってたものだけど、さすがに今は慣れてきた。
ATFもクーラントも抜かず、必要最小限の部品を外すだけで準備完了。


手順は今までと変わらない。エンジンを吊って、ミッション本体をチェーンブロックで少しずつ縁の下に降ろす。

いつもならミッションを降ろす前に外してたTDCセンサ、今回はどういうわけか引っ張っても抜けないので、ミッションを降ろしてからこじって外してみた。
やっぱり。何かが当たったのかひどく変形してるよ。


恐る恐る降ろしたミッションからトルクコンバータを外してみる。

目が点になった。トルクコンバータが収まっているベルハウジングの横っ腹にものすごい大穴が空いてるよ!本来なら仕切られているはずのディファレンシャルギアが丸見え状態!
走るたびにここから大量のATFがベルハウジング内にこぼれ出して、それが縁の下に漏れてきたんだろう。
前回落ちてきた破片もこの部分なのは間違いない。

車両側に残っているタイミングローター。奥のスタータモータ用のリングギアと一体になっていて、この手前にミッション側のトルクコンバータが重なる。

全周に58の歯があり、何もない2山分の部分がセンサに上死点を伝えるための欠損部(矢印部分)だ。

この欠損部がTDCセンサを通過すると左の矢印分のようにセンサ波形が変化して、上死点位置をECUに知らせる。

物理的には息継ぎの原因になるような問題は見られなくてこれはひと安心。


交換した中古ミッション。今回もプジョー306・'97年式に付いていた最終型を入手。やたらきれいに見えるのは、あらかじめシルバーのスプレー塗料で塗ったから(苦笑)。インチキのリビルド風ミッションだ。

今回のミッションの大穴、どのタイミングで起こったのかわからないけど、たぶんこういうことだろう。
ミッションとエンジンの結合部の上部にある覗き穴(左写真)から何らかの異物が入って、それがトルクコンバータの回転と一緒にハウジング内をぐるぐる回ってるうちに側壁を破壊。さらに入った異物か側壁の破片のいずれかが、同じ空間にあるTDCセンサにも何度もぶち当たり、これも変形した。

ミッション交換も完了して、よし、きっとこれですべてが一気に解決だ!

・・・ことはそう簡単には済まなかった。
またエンジンが吹けなくなってしまった。アクセルを少しでも踏むとエンスト。一年前ぐらいの状態に逆戻りだよ、これ。

試しにミッション交換前と同じように、交換したTDCセンサにもまた2mm厚のワッシャを入れてみた。

あっさり元に戻った。ミッション交換前の、普通に走れて時々息継ぎするっていう状態だ。ATFが漏れなくなっただけ前進といえば前進だけど、根本的な解決には至らず。2mmのワッシャたった1枚でこれほど変わるのも不思議だ。
引き続きいろいろ試してみるしかなさそうだ。

1 件のコメント:

Unknown さんのコメント...

おーしまさん
こんばんは。きのでございます。
最近、おーしまさんのところは、スマホでお邪魔していたので、最新の記事が読めていなかった様です。先月末の私のコメントは、記事のタイミング的には、おかしな感じでしたね。
ATの積み替えお疲れ様でした。
私の方は、この寒さと年度末の繁忙期のおかげで、全く手付かずの状態です。
最近、eBayでmotronicのコネクタを見つけたので、春からのハーネス引き直しの準備を始めようとしています。
そこで、おーしまさんはハーネス側わ多芯キャブタイヤか何かを使われたのですか?
それとも一本づつバラで?
おーしまさんの記事を参考にさせていただき、先にTDCの信号を確認するか思案中です。
私はオシロが無いので、データロガーを借りて来て確認できればな~と考えていきます。
そういえば、以前のコメントに何方かガレージ福田さんのURLを貼って頂いていましたね。
お隣の県ですが昨年お邪魔して、お茶をご馳走になってきました。次回は是非205を持って来たいと話したので、何とか復活させたいと思ってま~す。
では、では。
お邪魔しましたm(_ _)m