2023/12/31

さらに本当にどうでもいい改良

年末年始の休暇に入った。1週間の休みだ。でも、205は絶好調だ。いじるところがない。。。
暇つぶしに街を走れば自然と先週取付けたウィンカーブザーのカラータイマー音が耳に入ってくる。そういえばここの記事に「1GBのSDカードに9kBのデータ1個しか入ってないってのはものすごい贅沢だ」などと書いたっけなぁ。

ガチャガチャガチャ・・・
ロータリスイッチを付けて、、、
スピーカをもう少し音質のいいヤツに変えて、、、
ついでに電源基板をもっと小さいヤツに変えて、、、


6種類の音色をスイッチで選べるようにしてみた(笑)。
「シンプルなポン音」「マリオがコインをゲットする音」「ピコン音」「テレビニュースのタイトル音」「カラータイマー」「シュレーゲルアオガエルの鳴き声」をSDカードに収録。
トヨタにも日産にもない新機能・その日の気分によって好きなウィンカー音が選べるのだ(って、普通やらないやらない)。

これで1GBのSDカードが276kB埋まったぞ!

2023/12/24

本当にどうでもいい改造

相変わらず絶好調の205。オイル交換、タイヤのエア補充なんていう日常のメンテナンスの他には特に何にもすることがない。いや、それはいいことなんだけど、そうなるとなんか余計なことをやりたくなっちゃうのが悪い癖。で、たいていそれが原因で大トラブルに発展するのだ(笑)。そんなわけでまた余計なことをやっちゃったんだけど、今回は幸いなことに今のところ大トラブルには発展してないので安心してお読みください。

以前取り付けたウィンカー連動ブザー、その時も書いた通り超便利で気に入ってたんだけど、なんかだたの「ピ、ピ」音ではつまんなくなった。
amazonを探すとMP3データを再生する基板が数百円で売ってる。うん、これを活かせないだろうか!ポチっ!

amazonから届いたMP3プレーヤ基板に、前回取付けたウィンカーブザーの基板と部屋に転がっていた電源基板を合体させてこんな装置を作ってみた。

ウィンカーブザーからブザーを外して、代わりにトランジスタでスイッチングした出力を使ってMP3データを鳴らす。マイクロSDカードのMP3データを入れ替えればどんな音でも発音可能だ。

ウィンカーの点滅間隔は実測で0.5〜0.6秒ぐらい。これぐらいの短い音声データで何かいいものはないか・・・。

などと考えながら、基板類を熱収縮チューブで絶縁して、以前のブザーと同じようにメーターフードの上部に仕込む。








そして、完成したのがこちら!じゃーーーん!!(ボリュームONして聞いてね)


還暦近いオッサンならすぐわかるだろう。そう、ウルトラマンのカラータイマー音だ!
ウィンカー出すたびになんか気分いい。これまで純正で採用するメーカーがなかったのが不思議なくらいだ。

いろんな音を試してみたけど、結局これが一番フィットしてるので、当面このまま行きたいと思う。ただ、、、1GBのSDカードに9kBのデータ1個しか入ってないってのはものすごい贅沢だな(笑)。

2023/10/20

あてにならないリモコンドアロック

あと付けのリモコンドアロック。15年前ぐらいに初めて取付けて、今は七、八年前に交換した二代目なんだけど、これがこのところどうも調子が悪い。開錠はボタン一発なんだけどロックボタンは5回ぐらい押しても反応したりしなかったり。。。急いでクルマから離れたい時はじれったいし、クルマに戻ったら実は施錠されてなかったなんてことも何度かあった。

ブツはこれ。使い込み過ぎてロックやアンロックのマークなんてのはすっかり消えてなくなってるよ。

とにかくバラして調べてみることにした。


内部の基板。この赤い部品がロック時に押されるタクトスイッチ。
虫眼鏡でよーく見ると右の端子が基板からかすかに浮いていた。家電品の電源スイッチやイヤホンジャックなんかでもよくあるハンダクラックだ。外から力がかかる部分には付きものだから仕方ないと言えば仕方ない。
うまく押せた時はスイッチ自体がわずかに沈むことで端子が基板に触れてロックが効いたんだろう。

浮いてた端子はもちろん、念のため3つあるタクトスイッチ全部の端子にハンダを盛り直して修理完了。
クルマを止めるたびに感じていたストレスともこれでおさらばだ。

2023/09/01

ヘッドライト丸洗い

 ヘッドライト内に共存してるポジションランプが球切れしてたので交換しようとライトを揺すったら、ヘッドライトのガラスが外れてきた。3年前に段差でガッチャンしたのとは逆の左側だ。今回は落とさずに済んだのは不幸中の幸い!

見れば外れたガラスも本体の反射板も薄汚れてる。最近のクルマのプラスチックカバーのライトみたいに黄色く変色してるわけじゃないだけいいけど、せっかくだから丸洗いしてみることにした。
台所に持ち込んで中性洗剤とスポンジで洗う。やることは皿洗いとおんなじだ。ただ、本体の反射板はデリケートだからスポンジの柔らかい方で撫でるように洗う。ガラスの方はしっかり洗いたいから固い方でゴシゴシ磨く。
よくすすいだら乾かして、本体とガラスの接する外周にコーキングを塗って、貼り合わせれば完成。コーキングには手元にあったロックタイトの黒ゴム接着剤を使ってみた。屋外で使えるタイプなら何でもいいと思う。
(そんなにキレイになるとは思ってなかったのでここまで写真ナシ(苦笑))

これがやってみたら思いのほかキレイになった。こうなったらなんともない右側のライトも洗いたくなる。
外して比べてみると一目瞭然。洗ったライトの方が明らかにクリアだ。

右ライトもコーキングにマイナスドライバーを突っ込みながら本体とガラスに分離。古いコーキングもできるだけきれいに削ぎ落とした。

同じように台所でキレイに洗って天日で乾燥。この猛暑の炎天下だと30分もかからずに乾いてくれる。

あとはまた黒ゴム接着剤で貼り合せて完成。

ヘッドライトがキレイになるだけで見た目5歳ぐらい若返ったようになるからおもしろい。

実は新品のヘッドライトの買い置きもあるんだけど、海外パーツショップにありがちなミスで、届いたのが左ハンドル用のライト(レンズカットが左下がり)だった。売っちゃおうかとも思ったけど、これだけキレイになるならガラスだけ入れ替えればそれも右ハンドル用として使えるな。

2023/08/26

助手席床上浸水

ゲリラ豪雨で水没したわけじゃない。気付くと助手席の床がぐっしょり。っていうより、完全に水が溜まってる。
原因はひとつしかない。エアコンのドレンからの漏水。ブロアファンの真下あたりからポタポタ垂れていた。ドレンホースが詰まったんだろう。

エンジンルームのドレンホース末端を見ても全く濡れてない。

ホース末端から針金を突っ込んだり、パーツクリーナを吹き込んだりして簡易清掃。

無事排水回復。




幌を開けて丸一日炎天下を利用して濡れた床をできるだけ乾かしてみる。一日だけじゃまだまだ湿っぽい。気長に乾くのを待つしかないけど、その前にきっと雑巾臭くなるんだろうなぁ。

大変な作業になるけど、そろそろまた内装バラしてオーバーホールしなきゃダメだねぇ。。。

2023/08/20

じゅうたん押さえのドアバイザー(なんのこっちゃ?)

今回の話題は205の中でもカブリオレに乗ってる人にしかわからない『あるある話』。
雨の中、窓を少しだけ開けて換気しながら走っていると右(左ハンドルなら左)の太ももがビショビショになるのだ。

原因は、屋根の雨水が写真の丸印のあたりからポタポタ垂れて、少し開けた窓から真っ直ぐ車内に落ちてきて太ももを直撃するから。

ドアバイザーがあればいいんだけど、カブリオレだけはサッシュレスドアだからバイザーを取付ける窓枠自体がない。

ならば屋根に付けてしまおうと考えた。何でもいいからほんの1cmでも庇になるものができれば垂れた雨は入ってこない。ただ、こんなモノにお金や手間はあんまりかけたくないわなぁ。
ホームセンターで手頃な材料を探してみる。

これ、いいんじゃない?
見付けたのが『じゅうたん押さえ』(笑)。塩ビ製のへの字の長板だ。
ホントは黒が目立たなくてよかったんだけど、茶色と灰色しかなかったから、今回は茶色で我慢した。まあ、じゅうたん押さえにそんな好みの色を要求しちゃいけない。あんまりみっともなければ塗っちゃえばいい。

これを幌開閉に支障のない長さに切断。への字の短辺側を、ソフトトップと窓の間のゴムに差し込んで、超強力ブチル両面テープでガッチリ固定した。

って、説明するより見てもらった方が早いね。
じゃーん!どうよどうよ!?
幌の開閉にも問題ない。

屋根から突き出してる幅はホントに1cm程度。果たして効果のほどは・・・。

・・・そういう時に限って何日も雨が降らない。

結局、効果を確認するのに2週間も雨を待った(苦笑)。
雨の中わざわざクルマを出して走らせる。

おおっ、いいよ、これ!!
窓を5cmぐらい開けた状態でも、屋根の雨水は見事にじゅうたん押さえの縁から車外に垂れていく。

結果は大成功!!
今後は『じゅうたん押さえ』って言ってもかえって混乱するので、これを正式に『ドアバイザー』と呼ばせていただきます!

2023/07/09

気付いてよかった!

ブレーキになんか違和感がある。踏むたびにブレーキが効き出すポイントが違うような。。。
ブレーキフルードのリザーバタンクを見るとフルード液面が減っている。こりゃ十中八九漏れてるぞ。

フロント右タイヤを外してみると、、、ああ、なんかブレーキホース周りが濡れてるよ。確定だね。

実際にブレーキペダルを思いっきり踏んでみると、ホースの途中からピュー!と何本かの均等な細い筋になって四方八方にフルードが飛び散った。パスカルの原理だ(笑)。

四年前に交換してる左フロントと同じく、今回の右フロントもステンレスメッシュホースに交換。これで左右ともに当面は漏れの心配はないぞ。って、本来なら左フロントを交換した時に一緒に右もやっとくべきだったよねぇ。。。

ついでに、途中でブチ切れてたパッド摩耗センサの配線も繋ぎ直し。飛び散ったフルードがかかって腐食したんだろう。

交換したホース内のエア抜き作業。
うひゃー、フルード真っ黒だよ。エアこそ噛んでないけど、よく見るとなんか細かいゴム(と思われる)の破片がたくさん混じってる。おそらく漏れたホースの内壁が劣化して剥がれたものだろう。

思えばブレーキフルードなんて6年ぐらい交換してない(苦笑)。せっかくだから全量交換して作業完了。
ブレーキを踏んだ感覚もすっかり元に戻って満足満足。
・・・ただ、リアのホイールシリンダもそろそろ漏れてくる頃じゃないかなぁ。

2023/06/18

三度目の正直

またまたシートのボロ隠し大作戦。
前回奮発して1席二千円以上するシートカバーを付けたものの、しょせんは安物、二年も使ってたらもう破けてきちゃった(;_;)。

そこで今回はもう少し厚手のシートカバーを買ってみた。前席2席分に後席のベンチシート分もセットで3,699円!!・・・って、前回より安いじゃん(笑)。

全席はこの通り。今回もシートをそっくり車体から取り外して、車外の広いところできっちり被せた。
写真ではグレーに見えるけど、実際の色はほぼ黒。フィット感は前回のカバーよりいい感じだな。

せっかく後席分もセットだったから、後席にも付けてみた。後席にカバーをかけるのは今回が初めてだけど、ベンチシートだから前席よりは簡単。前席と違ってシート自体は外すことなく、背もたれを起こしたり座面を持ち上げたりして被せていった。
左右の寸法がちょっと大きめだったけど、ぎゅっと引っ張って巻き込むようにしたらこれもいい感じにフィット。

さあ、果たして今度は何年もつだろうか・・・。

2023/04/16

振り向けば、リアスピーカがいない。。。

左の写真だけじゃおそらく同じクルマに乗ってる人じゃないとどこのことだかわからないと思う。正式名称は『リアパーセルシェルフ』。リアシートの背後とその下のトランクの間を水平に仕切っている板だ。集成材(通称『馬糞板』)でできていて、濡れたりするとグズグズになっちゃうヤワい板。昭和の若者はここにカロッツエリアだのケンウッドだののロゴが眩しいリアスピーカをこれ見よがしに付けていた部分だ。

昭和オヤジとしてもやっぱりここに何もないのは寂しいから、リサイクルショップで左右セット2千円で売ってた写真のようなアゼストの中古スピーカを付けてたんだけど、ある日ふと後ろを振り返ったらそこにあるはずのスピーカが見当たらなかったっていうのが今回気付いたきっかけ。本来上部の長四角の穴に挿さって保持されているべきパーセルシェルフの爪がグズグズになって脱落、スピーカの重みでパーセルシェルフもろともトランクにずり落ちていた。

ちゃんと直すにはパーセルシェルフを交換するしかないんだけど、世界中の部品サイトを探してもさすがにこんな走行にも性能にも影響しないようなどうでもいい部品は見当たらない。
一度外して、グズグズになった部分を木工用ボンドかなんかを塗りたくって再度固めちゃうのがいいのかもしれないけど、それだと時間もかかるしどれだけ強度が戻るのかもわからない。

かといってお金をかけるような部分でもないから、思い付いてやったのがこれ。
脱落したパーセルシェルフを元の位置に戻して、トランク側から市販の突っ張り棒で支えてみた。リアスピーカ2台の重量が支えられればいいから一番細いヤツ。
幸い、突っ張り棒が当たるボディ側は両サイド共にしっかりしたフレームだったから、これだけでバッチリ固定できました。トランクからしか見えないし、まあこれでいいんじゃないかな。

2023/02/24

再びスピードメーター休業。。。

バルブステムシールの交換は大正解だったようで、推定数百km走ったけどこれまでのようなオイル激減りはなくなった。よかったよかった。
・・・と、ここで『推定数百km』などと曖昧な距離しか言えないのにはわけがある。
ステムシール交換を終えてひとっ走りしてきたら、今度はスピードメーターのワイヤが断線。。。走行には影響ないけどそのせいで時速何キロで走ってもスピードメーターは0km/hのまま。当然そこから駆動させている距離計もまったく動かないのだ。速度は別にデジタル表示させてるから問題ないんだけど、距離がわからないのは給油のタイミングが図りにくくて案外困る。

205の場合スピードメーターワイヤは長さによって数種類あるから手配する際は注意が必要。特に右ハンドル車の場合は全長1,100mmの一番長いタイプ(部品番号6123C5)が必要になる(以前、左ハンドル用の短いヤツを繋いでニコイチ作戦なんてのもやったけどね)。

ところが、これまた売られているのをめっきり見かけなくなった。以前はebay.co.ukあたりにごろごろしてたのにねぇ。

最近見つけた例のフランスのパーツショップ『Boutique L'Aventure』をあたってみた。日本と同じ右ハンドルのイギリスの店ならともかく、本国とはいえ左ハンドルのフランスのショップじゃさすがにないだろうなぁと思いながらも調べたら、おおっ、あるよあるよ!ワイヤ本体が€32.5、DHLの国際便送料が€28.49、合わせて€60.99だから、特に足元を見るようでもない良心的価格。早速発注。

最初「DHL便で8日間かかる」って返信が来たけど、フランス→スイス→ドイツを経由しながらもなんと5日で届いた。ショップとDHL双方から「今、スイスのバーセルです」とか「成田に着きました。通関中です」とかホントにまめに配送状況を知らせてくれるのは嬉しい。しかも驚いたことに今やDHLさんも追加関税とかなければ置き配にも対応してるのだ!

205の方は、ワイヤが届いたらすぐに取り付けられるようメーターパネル類もバラし済みだったので、夜のうちに修理完了!

それにしても今年に入ってやけにいろいろ次々に壊れると思って調べたら、我が205は数えで32歳の前厄だったのね(苦笑)。・・・って、来年は本厄!?

2023/02/12

300km走ると1L減るエンジンオイル

ガソリン価格が高止まりしてるのももちろん困ったことなんだけど、それより相変わらずエンジンオイルの消費が多いのには困った。以前、クランクシャフトオイルシールを交換して多少は改善したものの、300kmで1Lぐらいは減る。。。一番安いオイルを20Lのペール缶で買って都度足してるもんだから、玄関先が空きペール缶だらけになってきた(苦笑)。

で、車検の時にクルマ屋の大将に相談したら、排ガスの匂いを嗅ぐや即決で「ほぼ間違いなくオイル下がりだろう」とのご指摘。さすがプロだよなぁ。
そんなわけでバルブステムオイルシールを交換することに。こんなこともあろうかとシール自体は円高の時に買い置きしてあることだし。

ただ、ネットの情報を調べるとこの作業、なんだかけっこうめんどくさくて難しいみたいだ。クルマ屋の大将に「ちゃんとお金払うからやってよ」と懇願してみたけど、案の定「やだよ、そんな変なクルマいじるの」と断られた(苦笑)。
しょうがないからいろいろ予備知識を頭に叩き込んで、自分なりに工夫してやってみることにした。もちろん、こないだ見つけたフランスの情報サイトもフル活用(但し、ホントにいろいろめんどくさい作業だったのは確かなので「タイミングベルトの交換ぐらいは朝飯前!」というレベル以上の人じゃない限りお奨めしません・・・)。

とりあえずないよりあった方がよかろうと数千円の安いバルブスプリングコンプレッサキットも一応購入。実際に使ったパーツはこの中の5、6個だけだけど、結果は買って正解。これがなかったらあと二日はかかってたんじゃなかろうか。

カムカバーを外す。
カムの上を通っているオイルパイプを引き抜く。手で真上に引っ張れば簡単に外れる。
ここまでは過去にやってみたことがある作業。

オイルパイプのOリングが劣化してて、割れてポロっと落ちてきた。ゴムのOリングがプラスチックみたいに固化してる。
手持ちのエアコンライン用のOリングセット(R134a用なので緑色)の中ににちょうどいいサイズがあったから、とりあえずこれで代用。左がOリング装着後、右がOリングが欠落した状態。

ここから未知の領域・カムシャフトの取り外し作業となる。
フランス情報サイトによれば、まずはクランクとカムを所定の位置に固定しろとのこと。
この「所定の位置」というのは、いつもタイミングベルト交換の際に基準にしているカムプーリとクランクプーリの位置決めと同じ。こうすることでエンジン内部では4つのピストンがすべて同じ高さに揃うのだ。

・・・ただ、カムシャフトを外すのにどうしてその位置にしなくちゃいけないのかは不明。。。ぶっちゃけ外す時はどの位置でもいい気がするんだけどなぁ。
まあともかく先生が言うんだから素直にこの位置にしてみる。

まずはカム側。プーリ正面から見て8時ぐらいの位置のエンジン側に位置決め穴があるので、ここにカムプーリの位置決め穴を合わせて、勝手に回らないようにM8ぐらいのテキトーなボルトを突っ込んで保持する。

カム側が決まればクランク側も合う。11時の位置のエンジン側にある位置決め用切り欠けにプーリの位置決め穴がぴったり合ってるはずだ。こっちもM10のボルトを挿して勝手に回らないようにしておく。

位置決めは完了。ここからいよいよカムシャフトの取外しだ。
まずはディストリビュータを外す。
横からベアリングケースに向かって六角ボルトが入ってるので、これも外す。

タイミングベルト側のベアリングケースにもフォーク状の押さえ金具が六角ボルトで止まってるのでこれも外す。こんな時たいてい意地悪なプジョーさんにしては珍しく、ディストリビュータ側と同じサイズの六角ボルト(嬉)。

続いてタイミングベルトを外したら、カムプーリのセンターボルトを緩める(固いのかと思ったらそうでもなかった)。
さっきの各プーリの位置決めボルトはもう不要なので撤去(・・・やっぱり事前に位置決めしとく必要はない気がしてならない)。
カムプーリをカムシャフトから抜く。これも大変かと思ったら普通に手でスポっと抜けた。

あとは5つあるベアリングケースの固定ボルト計10本を外せばカムシャフトも勝手に外れてくるんだけど、カムにバルブスプリングの反動がかかってるから、端から一気に外すんじゃなくて均等に少しずつ緩めていく。カムシャフトは下からバルブスプリングに押されて勝手に浮き上がってくる。

外れたカムシャフト。カムプーリ側(写真の左端)には本来オイルシールがあるんだけど、今回交換するから写真を写した際にはもう外してある。

バルブスプリングにかぶっているカップを磁石で引き上げて外す(写真上列)。
但しこの時カップの中にはシム(直径13.5mmの円盤)が入ってるので紛失に注意!!このシムってやつはオイルの表面張力でカップの内側に貼り付いているだけなのだ。
しかもこのシムは、各バルブのクリアランスに合わせてそれぞれ厚みが微妙に異なる物が入ってるので、外したらバルブごとにきちんと分類しておくこと。実測したところ各バルブで3.0〜3.25mmぐらいの間で厚さの違いがあった。ホントはタペットクリアランスを測定して、再組立て時に正規のクリアランスになるように正しい厚さのシムに交換するべきらしいんだけど、そもそもそんないろんなサイズのシムのセットを持ってるわけじゃないからこれまでのシムを再利用。タペット音が気になるならちゃんと測定して正しいクリアランスになるシムを注文する必要がある(なかなか売ってないみたいだけど)。

ここまで外すとバルブスプリング上部を押さえているリテーナ(ドーナツ状の円盤)が見えてくる。この下にバルブスプリングがある。

リテーナのドーナツ穴とその内側のバルブステム上端の間に二つ割で入ってるのが噂のコッターだ。こいつがバルブステムとリテーナの間に挟まってることでスプリングを押さえ込んでいる。びっくり箱の蓋の役割だ。
スプリングをぐっと押さえ込んで縮めといて、その隙にこのコッターを外せば、押さえが効かなくなってコンプレッサを緩めた際にビヨーンとスプリングが外れてくれることになる。

ただ、ここで気を付けないといけないことがある。スプリングが外れるとバルブを保持してる物がなくなっちゃうから、このままだとバルブはシリンダの中に落っこっちゃう。そうなるともうエンジンヘッドもバラさないと復旧不可能だ。

世の中のサイトを見回すと、バルブが落下しないよう保持するためにみなさんいろんな苦労をされてる。エアーでシリンダ内に圧をかけてバルブを保持するとか、シリンダ内にナイロン紐を押し込んでバルブが下がらないようにするとか。バルブステムシールの交換作業はここが最大のネックらしい。

・・・が、あんまり難しいことは考えないことにした。ピストンを一番高い位置にしとけば、バルブが自重で多少下がったとしてもピストンにつっかえてシリンダ内に落ちることはないはずだ。これならステムをつまんで引き上げればいいだけだから復旧可能。
スパークプラグ穴に割り箸を突っ込んで、クランクを回して一番上がる位置を探す。ピストンは両端2気筒と内側2気筒がそれぞれ同じ動きをしてるので、2気筒ずついっぺんに作業可能だ。今回は内側2気筒から始めることにした。

クランクを回して内側2気筒のピストンを上死点にしたら、ここで秘密兵器の登場だ。
バルブスプリングコンプレッサ。こいつでスプリングを上から押さえ込んどいて、その間にフリーになったコッターを外す。

コッターが飛び散らないように軽くこづくだけにして、あとは磁石とピンセットでそっと外していった。

プジョー205用の専用工具ってわけじゃないからバルブの位置によっては周囲のパーツが邪魔になったりしていろいろ手間はかかった。最終的にはイグニッションコイルやら燃料パイプ、インジェクタまで外す羽目に。

無事外れたバルブスプリングとコッター。

スプリングを取り除いたあとを覗いてみると、お目当てのステムシールが見えた。こいつをキットにある専用プライヤを使って引き抜くんだけど、今回最も苦労したのがこの作業だった。
とにかくバカみたいに固着してやがる。こじってもひねっても抜けてこない。掴んでるプライヤ自体もだんだんひん曲がってくる始末。
結局、8個とも上からタガネでカチ割って取り出した。荒療治。

外したステムシールはもう原型を留めてない。よって、ホントにここからオイル下がりしてたのかどうかも確認不能。。。

オイルシールがなくなってスッキリさっぱりしたバルブステム。
ホントにシリンダ内に落っこちることはないかと試しに上から押してみたけど、1cmほど下がったところでコツンとピストンに当たって止まるから大丈夫だ。

新品のオイルシールを取り付ける。
せっかくあるからキットに付属してたシール打込み棒を使って打ち込んだけど、テキトーなパイプあてがってでもできそうだ。
きちんと打ち込まれれば打音が変わるし手応えもあるのですぐわかる。

バルブステムをいっぱいまで引っ張り出した状態にして(新品のオイルシールの締め付けがちゃんと効いてるから自重で勝手に下がったりはしなかった)、スプリングとリテーナをかぶせ、ここで再びスプリングコンプレッサの出番。
スプリングを上から押さえ込んどいて、磁石とピックツールとピンセットを駆使してうまいこと元通りコッターを入れ込む。

大事なことは、2個のコッターが正しい位置にきちんと納まるまでとにかくしっかりスプリングを押さえておくこと。万一途中でコケるとコッターがすっ飛んで行方不明になる。私は2個すっ飛ばして、捜索に一時間以上かかった。。。

コッターが納まればバルブはスプリングに引っ張られて完全に保持される。もうピストンが下がってもシリンダ内に落ちることはない。

こうして内側2気筒分4個の交換が終わったら、今度は外側2気筒のピストンを上死点に固定して、この2気筒分4個についても同じ作業を行う。内側2気筒に比べてバルブスプリングコンプレッサの固定方法に苦労したけど、それでも8バルブSOHCエンジンでよかったなぁとつくづく感じた。24バルブのエンジンなんか絶対やりたくないぞ。

4気筒とも終わったら、カムシャフトやらカムプーリやらディストリビュータやらを元通り組み戻して、カムプーリとクランクプーリを位置決め穴の位置に固定して(ここでの位置決めは重要!)正しくタイミングベルトを張る。カムシャフトには油膜切れ状態で始動するのを防ぐために全体に薄くオイルを塗っておく。但し、多けりゃいいだろうってドボドボかけちゃダメよ!エンジン内に回って始動しなくなるから(体験済み(苦笑))。

カムカバーを元通り戻して、邪魔になって外してあった補機類もすべて復旧すれば作業完了!

で、カムシャフトにうっかりオイルドボドボやってエンジンがかからなくなっちゃったらどうするか(いやこれ、実際やらかした時はエンジン壊しちゃったんじゃないかとホントに焦ったぞ)。アクセル全開にして始動するまでひたすらクランキング。バッテリが上がるんじゃないか?って頃にかかります!たぶん。

さあ、これでオイル消費が劇的に減ってくれればサイコーなんだけど、果たしてどうなることか。しばらく乗り回してからご報告致します!