ブーツと言っても履物じゃない。1ヶ月ほど前に破れが発覚した
ステアリングラックブーツ。世間はクリスマスで浮かれてる中だけど、せっかく交換用ブーツが
イギリスから届いたので交換に着手しました。国産車であれば比較的簡単な作業なんだけど、そこはプジョーさん、ばっちり手間取らせてくれましたぜ。
まずは簡単な右(運転席側)から。
ハブキャリアからタイロッドエンドを外すところからスタートだ。固定ナット部分にはあとで面倒なトー調整をしなくてもいいようにペイントでマーキング。
取り外した右側ブーツ。あーあ、バックリ割れてるよ。
ボールジョイントをきれいに掃除してグリスを塗り付け、新しいブーツを挿入する。
ブーツの短径側の穴はご覧のとおりシャフト径に対して半分ぐらいしかないから、シリコンスプレーを吹き付けて滑りをよくしながら強引にグリグリと押し込んでいく。今年最大の寒波が襲来している中での作業、多少なりとも温めてからじゃないとヤバいかとも思ったけど案外丈夫なものでチカラワザでも問題なく装着できた。
大径側(内側)のハメ込みは狭いだけに手が入らずなかなか面倒くさい。細いドライバやピックツールやらを駆使しながらハメ込む。
あとは新ブーツに付属していたインシュロックで締め込んで右側ブーツの交換は無事完了。
問題は左(助手席側)だ。この時代のプジョー・シトロエンのパワステ車はよりによってブーツの外側にロッドが突出していて、これがステアリングラムに連結されている。古いブーツはぶった切って外せばいいんだけど、新しいブーツを差し込むにはこのロッドを乗り越えさせなくちゃなんない。いくら丈夫なブーツでもここまで伸びないだろうし、伸びたとしても押し込んでくうちにきっと破れるだろう。
で、ともかくまずはステアリングラムの連結棒を外すんだけど、出ました18mmのナット。そこらのホームセンターの工具セットにはまず入ってません。しかも狭くてソケットレンチは入らないから、スパナかメガネレンチの18mmが必要。
そこだけでは連結棒の自由が利かなくてまだロッドから抜けないから、さらにステアリングラムの固定ナットも外す。
もうひとつ、ステアリングラム右側の固定ボルト。これもなかなか一般家庭には回す工具がない『トルクスT55』でございます。ああ面倒くさい。
ここまで外してようやく何とかロッドから連結棒が抜ける。
ブーツを差し込みやすくするためにタイロッド自体も外す。こうすればブーツはロッドから差し込んで90度曲げながら押し込んでいける。
ところがこのタイロッド、国産車と違ってボールジョイント部にレンチを掛ける平面がなくてまったくのまん丸。仕方ないので外面に傷が付くのは覚悟でパイプレンチで回す。ロックワッシャが入ってることもあってものすごく固いけど、ここはハンマーも併用しながらとにかく強引に回す。ホントにこれで外れるのか?と不安になるくらい固いけど、それでも頑張る(苦笑)。
ふぅ〜、ちゃんと外れたよ(^_^;。
外れたタイロッドのボールジョイント部分。なかなか凝った作りのロックワッシャが入っていた。
本来は再利用は不可なんだろうけど、こんなモノさすがに手持ちがないからできるだけ爪を起こして再利用。
タイロッドが抜けたあとのステアリングラック。
外周の黒い部分は外側のダストカバーが固着した残り。このあと、細いマイナスドライバでコジって外した。
このあと取り付ける新品のブーツは少しでも柔らかくしておいた方が作業しやすいから、エンジンをかけてエンジンルーム内に放置して温めておく。
人肌以上に温まって柔らかくなったブーツをロッドから挿入し、90度曲げながら奥に押し込んでいく。結構きついけどシリコンスプレーとマイナスドライバを駆使してなんとか乗り切る。
付属のインシュロックで両端を固定して無事装着完了。
このあと、忘れずにロッドと連結棒を連結してステアリングラムを元通り固定。
タイロッドを元通りガッチリと取り付けてボールジョイントをグリスアップしたのち、最後に外側のダストカバーをこれまた強引に押し込んで装着して完成!
すべて元通り戻したところで念のためトーのチェック。
写真は手製のトー測定器。って、Cチャンの両端にL金具を立てただけなんだけど、これが結構使えマス(^_^;。
最初に狂わないようにとタイロッドエンドにマーキングしたつもりだったけど、結局は狂ってました(苦笑)。